Project/Area Number |
08740261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 雅恒 東北大学, 工学部, 助手 (50211850)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 低次元系 / 銅酸化物 / 低温合成 / 電気抵抗率 / 結晶構造 / 酸素量 |
Research Abstract |
CuO_2面をもたない低次元量子スピン系銅酸化物Sr_2CuO_<3+x>,Sr_2CuO_<2+x>を低温合成し、酸素量を変化させ超伝導出現の有無を調べた。 1. 単純鎖型Sr_2CuO_<3+x> (1)合成 まず、Sr_2Cu(OH)_6を高濃度NaOH水溶液にCu(NO_3)_2, Sr(OH)_2 水溶液を加えて沈殿させることにより合成した。次に、これを下に示す条件の下で焼成した。 ・375℃で様々な酸素分圧下で24時間焼成した結果、酸素分圧が1%以下ではx〜0(斜方晶)が、8%以上ではx〜0.1(正方晶)の試料が得られた。 ・100%酸素気流中で様々な温度で24時間焼成した結果、375-500℃ではx〜0.1(正方晶)が、500℃以上ではx〜0(斜方晶)が得られた。 以上のように、二種類の酸素量をもつ相が安定であることがわかった。 (2)電気的特性 すべて半導体的振る舞いを示し、x〜0(斜方晶)の方がx〜0.1(正方晶)の試料より電気抵抗率は小さかった。これは、正方晶のときab面内で酸素イオンはランダムに配列しており、過剰酸素によるキャリアは局在し、斜方晶では酸素イオンはa軸方向に秩序化し、電気伝導体が良くなったためと思われる。 Ba置換 同様な方法によりBa_2CuO_<3+x>の合成に成功した。様々な酸素分圧、温度で焼成することにより、x〜0.1(正方晶)x〜0.4(斜方晶)の二種類の酸素量をもつ相が安定であることがわかった。Ba系の方がSr系より酸素量が大きい相が安定なのは、Baの方がイオン半径が大きく、高配位数をとるからであると思われる。また、x〜0.1(正方晶)の試料において、約50Kで磁化率に異常が観測された。その原因はまだ不明である。 二重鎖型SrCuO_<2+x>系 同様にSr_2Cu(OH)_4を合成し、これを様々な酸素分圧下、温度で焼成した。その結果、窒素気流中では500℃でx〜0(斜方晶)が得られた。通常の固相反応法よりも約450℃も低温での合成が可能となった。電気抵抗率は半導体的振る舞いを示した。
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