ゼオライト中カルコゲンクラスターの安定化と熱的性質
Project/Area Number |
08740270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
丸山 健二 新潟大学, 理学部, 助教授 (40240767)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | カルコゲン / マイクロクラスター / ゼオライト / 光誘起効果 / EXAFS / 光音響分光 |
Research Abstract |
Na型ゼオライトYの直径13Åの空洞中にAs_<>SおよびAs_2S_3を吸蔵させマイクロクラスターを作成した。このマイクロクラスターに低温で光照射を行い構造および電子的性質の変化について測定を行った。 80KでAs_2S_3クラスターのEXFS測定を行った結果、結晶と同じAs-S結合が見られ、As_2S_3のピラミッド構造は保存されていることが分かる。しかし、As-As結合の示すピークに著しい減少が見られ結晶As_2S_3の層状構造はゼオライト中に吸蔵することによりかなり歪んでいると考えられる。一方、AsSについては結晶AsSのものとほとんど同じEXAFSスペクトルが得られ、結晶と同じAs_4S_4かご型構造が残っていることが明らかとなった。 マイクロクラスターの電子的性質は光音響分光法(PAS)により光吸収を測定することにより調べた。As_2S_3クラスターのPASスペクトルは結晶のものとほとんど変わらないのに対して、AsSクラスターの光吸収端のエネルギーは結晶と比べて高エネルギー側へシフトすることを見出した。以上のことから砒素カルコゲン化物はゼオライト中に安定に存在していると考えられる。 これらのマイクロクラスターの光照射効果を調べるため70Kでの光照射を行った。As_2S_3及びAsSいずれの試料もバンドギャップ程度のエネルギーの光を照射することによりバンドキャップの減少を伴う光吸収の増加を示した。この光誘起効果は、結晶やアモルファスAsSでは生じないものでクラスター状態に特有のものであると考えられる。また、この光誘起効果は試料を室温に戻すことにより消滅する。さらに、光照射後の試料についてEXAFS測定を行い、光吸収の増加とともに構造に歪が生じていることを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)