超伝導を引き起す強相関化合物の純良単結晶育成と物性
Project/Area Number |
08740292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
菅原 仁 東京都立大学, 理学部, 助手 (60264587)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | CeCo_2 / CeOs_2 / CeRu_2 / Yb_3Rh_4Sn_3 / 単結晶 / 超伝導 / ピーク効果 |
Research Abstract |
本研究では異常な超伝導状態に電子相関が重要な役割を果たしていると考えられる物質を取り上げ研究を行いました。それらを整理すると以下のようになります。 (1)CeOs_2異形体の超伝導。 (2)ピーク効果を示す超伝導体での磁束流状態における輸送効果測定 (3)CeCo_2における超伝導ギャプの異方性 (1)に関しては、これまで報告されたものより残留抵抗比で2倍以上の良質な試料が得られ、その試料を用い実験が行われた。この物質は熱処理により二つの結晶構造、C14(六方晶)及びC15(立方晶)を持ち、C15は70mKまで超伝導にならないのに対し、C14は約1Kで超伝導を示す。これまで、帯磁率の微妙な差をもとに、スピン揺動温度の違いによると解釈されてきた。我々は、この違いの原因を明らかにするために、比抵抗、ホール効果、熱電能、比熱、帯磁率の測定・比較を行った。その結果、帯磁率では不純物効果により明白な結論を出せないのに対し、熱電能とホール効果には両結晶形で明確に異なることが確認された。C14は両物性とも、通常金属的であるのに対し、C15では100K近傍に大きなピークを示す。これは、多くの価数揺動Ce化合物で見出されている振る舞いと類似している。すなわち、両系ともCeの価数は4価に近いものの、C15の場合は価数揺動的になっている為、超伝導転移が抑えられていると考えれる。 (2)(3)に関しても単結晶試料の純良化が進み、(2)に関してはピーク効果を顕著に示す物質では磁束流のガイド効果と思われるホール抵抗、磁気抵抗の異常を発見した。また、CeCo_2に関しては、典型的な重い電子系超伝導で見られるギャップレスとまではゆかないが、BCS理論とはかなりかけ離れた異方的超伝導ギャプが存在することが比熱や核磁気共鳴の測定から明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)