新しい金属間化合物超伝導体ホウ素炭化物超伝導体の中性子非弾性散乱
Project/Area Number |
08740303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川野 はづき 理化学研究所, 磁性研究室, 基礎科学特別研究員 (70281649)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超伝導体 / フォノン異常 / 中性子非弾性散乱 |
Research Abstract |
新しい金属間化合物超伝導体であるホウ素炭化物超伝導RENi_2B_2C(RE=Lu,Tm,Er,Ho,Y)は、比較的高い超伝導転移温度を持つこと、また、磁性と超伝導が競合する系を含むことなどから大変注目されており、その「強い電子相関」「磁気-格子揺らぎ」の超伝導発現機構への寄与が問われている。 平成8年度は、金属間化合物超伝導体YNi_2^<11>B_2C系の中性子非弾性散乱実験を行い、系の超伝導転移に伴い出現する異常フォノンピークを発見した。この異常フォノンピークは、 1、超伝導転移温度以下で観測される。 2、室温以下でコーン異常が観測されたQとほぼ同じ位置に観測される。 すなわち、系のnesting vectorに対応する位置に観測される。 3、ピーク強度は超伝導のオーダーパラメタ的温度依存性を示す。 4、ピークエネルギーは系の超伝導ギャップエネルギーにほぼ等しい。 5、磁場をかけ超伝導を破壊するとこの異常フォノンピークも消失する。 6、異常フォノンピークとTransvers acousticフォノンピークとの散乱強度の間にsum ruleが成り立つ。 等の特徴をもつ。このような異常フォノンは本研究により初めて観測されたものであり、現在理論的な原因追及が行われている。この異常フォノンの原因を明らかにするため、実験的にもさらなる知見を得ることが重要であると考えられる。平成9年度は、この物質群の他の系でも同様の異常が現われるかどうかについて調べることを計画している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)