Project/Area Number |
08740306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雄介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20261547)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 一次元量子系 / 強相関電子系 / 熱力学 / 動力学 / スピノン / ホロン / 分数統計 / 素励起 |
Research Abstract |
本研究では長距離型の相互作用を持つt-J模型に対して熱力学の厳密かつ解析的な定式化を行った。その結果、スピノンとホロンという2種類の素励起がエネルギー的に自由な素励起として存在する事、エントロピーを介して互いに統計相互作用する事がわかった。この2つの性質は多くの一次元強相関系において近似的に満たされている性質であるので普遍的なものである。各系の個性は素励起の種類とその統計相互作用の具体形に現れる。 「統計相互作用」は有限温度において有用な概念であるので、有限周波数領域の動力学的性質にも反映すると期待できる。そのような背景のもとでSutherland模型といわれる一次元金属のモデルの動力学を調べた。その結果、内部対称性を持つSutherland模型のグリーン関数の解析的な表式を得た。これは格子モデルを除く強相関電子系において初めて得られた厳密な結果である。その研究によって、スペクトラルウェイトは素励起の状態密度と素励起間の統計相互作用によって決まることがわかった。この結果はHaldane-Shastry模型やハイゼンベルグ模型、一成分Sutherland模型の動力学にも適用できる強力なものである事が分かった。 その知見を踏まえて動的密度相関関数、スピン相関関数についても解析的な表式を得た。現在はその結果に対して数学的な証明を試みている。なお研究として完結したグリーン関数の結果については11月に論文投稿済みである。 本研究プログラムではそもそも素励起の統計性を熱力学から決定することを目的としていたが、結果として一次元量子系の熱力学と動力学が「素励起間の統計相互作用」をキーワードにして統一的に理解できることがわかった。これらの結果を踏まえて今後は一次元強相関金属のモデルとして超対称t-J模型の動的相関関数の解析解を求める予定である。銅酸化物一次元超伝導体の発見や光電子分光、中性子非弾性散乱など動力学的性質に対するプローブの精度向上を背景にし、可積分系に軸足を置いた「一次元強相関金属の動力学理論」の構築が将来にわたる目標である。
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