Project/Area Number |
08740318
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永尾 太郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10263196)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 半導体超格子 / 半古典論 / カオス / 2次元電子系 |
Research Abstract |
量子アンチドット系は、半導体内部の2次元電子系に電子の入れない高ポテンシャルのドット領域(アンチドット)を格子状に並べた超格子系である。格子定数は数十ナノメートルから1マイクロメートル程度にとられる。サイクロトロン半径が格子定数程度になる磁場をかけることにより、非常に多様な物理現象をみることができる。アンチドット系のモデルは、散乱体の配列の中をカオス的に運動する質点の系(Sinaiビリヤード)によって与えられる。ランダムに選んだ初期条件から質点系の古典力学を解くことにより、電子の古典軌道が生成される。多くの古典軌道の情報が集まると、線形応答理論によって電子の磁気抵抗やホール抵抗が計算される。この方法により、正方格子からランダム格子に散乱体配列を変えていったときの磁場の影響下で電子の振る舞いの計算を行った。ランダム性によってサイクロトロン半径と格子定数の整合性に起因する磁気抵抗の振動が抑えられることがわかった。さらに、異方的なランダム格子について計算を行うことにより、磁気抵抗の振動が局在軌道の存在によるものではなく、拡散軌道の寄与によって生じることを明確に示すことができた。最近、大阪大学の実験グループの研究により、磁気抵抗とホール抵抗の振る舞いには相関があり、磁気抵抗のピークとホール抵抗の微分のピークが同じ磁場で生じることが発見された。この相関が、上記の数値計算の方法によって再現できることも示すことができた。弱い磁場においてホール抵抗の値が通常の逆の符号をとるということも実験的に知られているが、これについても計算も行い、逆符号のホール抵抗が最も強く現れるような最適なアンチドットの大きさがあることが発見された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)