Project/Area Number |
08740350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
森脇 喜紀 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90270470)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 超流動ヘリウム / アルカリ土類イオン / アルカリ土類イオン-ヘリウム エキシマー / マグネシウムイオン-ヘリウムポテンシャル / アルカリ土類原子-ヘリウムポテンシャル / イオントラップ / バブルモデル |
Research Abstract |
液体ヘリウム中のイオンは、中性原子や電子などと同様なバブルあるいは氷球を形成しその構造やダイナミックスに分光学的な興味がある他、トラッピングの対象としても興味深い。ところが、イオンの分光に関してはこれまでBa^+以外は報告されておらず、軽いアルカリ原子のスペクトルが観測できていないこととともに、解明が期待されている。今回我々は、超流動液体ヘリウム中にイオン・原子を生成しレーザー分光を行うためのクライオスタットと分光系を開発・作成し、Ba,Mgについて実験を行った。YAGレーザーの第2、第3高調波により、液体ヘリウム中のサンプル表面をスパッタリングすることにより原子を超流動ヘリウム中に生成することができるが、イオンは検出できなかった。これは液体ヘリウム中のイオンの再結合面積が非常に大きいためであると考えられる。そこで、2KV/cm程度の電場を印加することによって、Ba^+イオンのスペクトルを測定することに成功した。D1,D2線の励起スペクトルが10nm程度短波長側にシフトし、D2線が2重に分裂していることなどは、バブルモデルとヤーンテラー効果により説明できると考えられる。また、Mg^+-He_nのポテンシャルをad initio計算により検討した結果、基底状態では通常のバブルが形成されるが、励起状態ではMg^+のp電子軌道の節の部分に6個のHe原子が結合したエキシマーが形成され、基底状態への遷移が1μm付近にあることが予想された。このMg^+イオンのスペクトルの検出を現在試みているが、その過程でMg原子の3s^1S→3p^1Pの励起スペクトル(281nm)と、276nmの励起スペクトルが新たに測定された。後者には鋭いディップがあり、バブルの光イオン化と脱励起過程の競合に起因するスペクトルであること考えられる。
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