レシ-バ関数インバージョン法によるオーストラリア大陸地殻の地震波速度構造の研究
Project/Area Number |
08740362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澁谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レシ-バ関数 / 地殻構造 / 遺伝アルゴリズム / 焼なまし法 / オーストラリア大陸 |
Research Abstract |
1.オーストラリア大陸の広帯域地震波形にレシ-バ関数インバージョン法を適用し,観測点下の地殻および最上部マントルの地震波速度構造を推定した.得られた速度構造を地質構造の異なる地域間で比較し,それらがどのように違うのかを明らかにし,その結果に基づき,オーストラリア大陸東部の古生代褶曲帯における地殻の進化に関する議論を行った. 2.レシ-バ関数インバージョンにおいて新しいインバージョン法を開発した.遺伝アルゴリズム(Genetic Argolithm)に局所探索の手段として焼きなまし法(Simulated Annealing)を組み込んだハイブリッドアルゴリズムを用いた結果,インバージョンの性能が格段に向上し,レシ-バ関数の観測波形と理論波形の合致が良い,すなわち残差の小さい速度構造モデルを求めることができた. 3.得られた速度構造モデルに関して以下のような特徴を挙げることができる. (1)褶曲帯の中心部において,地殻・マントル境界が深く,その遷移層が厚くなる(10km以上).地殻・マントル境界がはっきり認められない場合もある. (2)褶曲帯の縁辺部では,地殻・マントル境界は,おおむねシャープである.速度に飛びをもつ不連続面であるか,遷移層を伴っていてもその厚さは薄い(5km以下). 我々は,このような結果に基づき,オーストラリア大陸東部の古生代褶曲帯における地殻の成長過程に関して,次のようなシナリオを考えた. (1)褶曲帯の中心部においては,マントル物質の下部地殻への貫入が盛んに起こり,地殻が厚くなる. (2)貫入したマントル物質は,変形や再結晶等により下部地殻の岩石と混ざり合い,地殻・マントル境界は遷移的になる. (3)このような過程が繰り返し起こって,現在の地殻が形成された.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)