Project/Area Number |
08740363
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体地球物理学
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
浦川 啓 岡山大学, 理学部, 助手 (30201958)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 球共振法 / 弾性率 / 上部マントル / メジャーライト / パイロープ |
Research Abstract |
鉱物の高温弾性を研究する上で、球共振法は有効な方法である。数ミリサイズの大きな単結晶を得ることが不可能な高圧相鉱物に対しては、多結晶焼結体を利用することが考えられる。共振法で多結晶体を利用する場合は弾性的等方体として取り扱うので、試料の等方性が重要となる。また、空隙が存在すると正しく弾性率を評価できないので、空隙のほとんどない試料を準備する必要がある。本研究では、異方性の比較的小さい立方晶系のパイロープを選び、その多結晶体の高温高圧焼結を試みた。パイロープは上部マントルを構成する主要鉱物のひとつであるメジャーライトガ-ネットの端成分のひとつであり、その弾性率の研究は地球科学的にも重要な意味を持つ。高圧実験は岡山大学固体地球研究センターの1000トンプレスを用いた6-8式の2段加圧法で行った。出発試料にはパイロープ組成のガラスを用い、それを白金カプセルに封入し NaCl 圧力媒体中に置いた。焼結は9GPa、1400℃で60分以上保持することで行った。この条件では NaCl は軟化しており、試料にかかる応力は静水圧に近いと考えられる。静水圧下で合成することにより、多結晶試料に異方性が生じることを防ぐことができる。また、減圧時の差応力によって焼結体が割れないように、600℃の高温のまま減圧した。この方法で、理論値とほぼ等しい密度を持つ、空隙のないパイロープの多結晶焼結体を得た。この焼結体の弾性率を球共振法で測定し、体積弾性率と剛性率を決定した。その結果は、単結晶のパイロープに対して報告されている弾性率とほぼ一致し、多結晶焼結体が弾性的等方体であること示している。現在、高温で球共振法による測定を行っているが、150℃までは観測共振周波数に異常が見つかっておらず、高温での弾性率測定が可能であると考えられる。
|