北太平洋西部における数十年スケール変動のデータ解析
Project/Area Number |
08740367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
見延 庄士郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70219707)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 50〜70年スケール / 10年〜数十年スケール / 北太平洋 / 親潮 / 黒潮 / アリューシャン低気圧 / 黒潮続流 |
Research Abstract |
本研究は、50年から70年の周期を持つ変動が北太平洋および北米に存在することを、世界で初めて明らかにした。この長期変動は冬季・春季のアリューシャン低気圧の強化・弱化を伴い、アリューシャン低気圧が強い場合には、日本沿岸では親潮が通常よりも南下し、北米西部の春季気温は高いことが示された。これらの変動は、今世紀では1920年代・1940年代の気候シフトで特徴づけられるとともに、50-70年周期に統計的に有意なスペクトルピークを持つことが示された。このスペクトルの統計的な有意水準検定は、比較的あらたな手法であるMulti-Taper Methodを用いた。さらに、北米上で樹木年輪より推定される過去の気温データを解析することにより、50年〜70年スケールの変動は18世紀半ば以降継続していることが示された。 この50〜70年スケール変動は親潮については顕著であるが、黒潮にはさほど影響が見られない。しかしながら、黒潮続流にも興味深い十年スケール変動が存在する。本研究では、1957年〜1992年の期間について黒潮続流の位置を144°E〜150°Eの区間で経度の関数として同定した。この区間の黒潮続流の平均緯度は1981年〜1987年の期間にその前後と比べて顕著な南下を示す。水温場の相関解析より黒潮続流の平均的な緯度の変動は、上流の黒潮流露および親潮第二分枝の勢力の強弱と関連することが示された。風応力分布との関連を解析した結果、黒潮続流の平均緯度は北太平洋上の風のcurlと弱い負の相関を持つことが判明した。一方、2つの定常蛇行の北向きの峰に当たる144°Eと150°Eの黒潮続流緯度の差は、本州東方の東西風応力と比較的高い相関を示す。黒潮続流の平均緯度と144°Eと150°Eの続流緯度の差が、異なる風応力分布パターンとの間で相関を持つことは、黒潮続流に関わるこれら二つの変動が異なるメカニズムによって定まることを示唆するものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)