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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
研究目標は「水温と塩分の3次元的な分布を与え,それらを保存するように3次元的な流速場を得る」ことである.まず,予報モデルを改造し,各格子点において水温・塩分の保存を満足させるような連立方程式を作成した.この連立方程式を特異値分解(SVD)を用いて解き,順圧流を求める.領域として,黒潮のため予報モデルでは再現が難しい北太平洋西部をとり上げたが,本年度では,現実的な流速場を求めるには至らず.そのパラメータなどについての実験を行った.入力データとして過去の予報・診断モデル結果を利用するため,水平2度,鉛直15層のモデル解像度である. 行った実験と結果は以下の通りである. 1.予報モデルで計算した水温・塩分場を使用. 基本的には保存は保証されたデータだが,混合層では満足されない.これが結果に与える影響は大きく,表層(第1層)だけではなく,混合層を確実に除く必要がある.単に,移流の効果が大きい水温躍層以深(4層目以降)だけを保存するようにしても良好な結果となる. 診断モデルにより平滑化された水温・塩分を使用. 診断モデルは移流拡散を考慮して観測値を平滑化するため,観測値そのものよりは保存を満足させやすいはずである.しかし,第4層目以降だけで保存させるようにしても,局所にきわめて強い循環ができ,あまり現実的な場とはいえない.しかし,流速場全体に強い平滑化を施すと黒潮らしき強い流れが現われてくるため,局所的な循環を除くことができれば有望と思われる. (1)の結果から,(2)では,与えた水温・塩分場の局所的な誤差(非保存性)のため,流速場が局所的に強く歪められていると考えられる.従って,誤差を広い範囲に分散させ,相殺するようにさせればよいと思われる.すなわち,格子ごとに保存を満足させるのではなく,4〜9格子でオーバーラップするようなグループを作り,グループごとに保存を満足させる.この作業を現在行っている.
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