Project/Area Number |
08740376
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 憲敬 京都大学, 防災研究所, 助手 (00222183)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 赤道波 / ケルビン波 / 積雲活動 / 圏界面 / 重力波 / 熱帯 |
Research Abstract |
1961-91年の高層観測レ-ウィンゾンデデータと、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)作成の全球解析格子点データを用いて、熱帯対流圏上部での大規模(東西スケール数千km以上の)擾乱についてデータ解析を行なった。1,主として北半球の冬に圏界面付近でKelvin波が20m/sにも達する振幅をもつまでに増幅する現象について、その増幅のメカニズムを調べた。その結果、1)励起が主として、東進速度15m/sの雲クラスターによるものと考えられることがわかった。しかし、統計的には波の速度より雲クラスターのほうが少し遅く、また卓越波数が波の方が小さいという新しい問題が提起された。2)大増幅が起きている経度が、平均風が東に行くほど強い東風となっている場所に当たっていることが確かめられた。これは、平均風の変化によって波の群速度が小さくなりエネルギーが蓄積することと、上方伝播が促進されることに由来すると考えられる。しかし、この経度は積雲活動が活発な場所にちょうどあたるため、励起自身が強いという要因が効いている可能性がある。このどちらの原因がより本質的かという問題が生まれた。2,さらにこのケルビン波を含めて多くの波動の励起について統一的な説明を試みるために、波動擾乱の鉛直モードについて系統的な解析をおこなった。この結果、2日周期以下の擾乱では従来多くの擾乱に関して言われているような200と850hPa付近に振幅の極大をもつ構造よりはずっと浅い構造をもつこと(坂本和幸氏との共同研究)がわかった。また、ケルビン波およびロスビー波が卓越している5日以上の周期帯では、風の東西成分と南北成分の振幅の鉛直分布が大きく異なっていた。これにより、積雲のごく近くの対流圏内で、すでに波の上方伝播がモードによるはっきりした違いを持っていることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)