高温高圧実験による二酸化炭素存在下におけるマグマ生成プロセスの解明
Project/Area Number |
08740412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 敬 東京工業大学, 理学部, 助手 (50270921)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | マントル / 水 / 二酸化炭素 / 玄武岩 / 部分融解 / 高圧実験 / マグマ |
Research Abstract |
地球のマントルを代表していると考えられるマントルカンラン岩(レールゾライト)について,含水および含二酸化炭素の融解実験をピストンシリンダー型高温高圧発生装置を用いて,1および3ギガパスカルの圧力下でそれぞれ行った.含水融解実験に関しては,我々によってすでに行われていた実験を低温領域に拡大し,できた融解液(マグマ)の化学組成および融解量(マグマ生成量)を求めた.その結果,カンラン岩の無水ソリダス温度以上では融解液は玄武岩質であるのに対し,それ以下の温度では温度の低下とともに融解液のシリカの量が急激に増大し安山岩質になること,また少量の水の存在がマグマの生成量を飛躍的に増加させることがわかった.例えば0.2%の水は1300度においてマグマの生成量を倍増させる.また沈み込み帯に特徴的な高マグネシア安山岩は,もしマントルの化学組成が特にマグマ成分に枯渇しているのではないならば,それらは島弧型ソレアイト玄武岩に比べて低温のマントルの生成物であることがわかった.含二酸化炭素の融解実験に関しては,その融解液の組成を広い温度範囲にわたって求めた.すでにいくつかの実験で示唆されていたように,融解温度の増加にともないマグマはカーボナタイト質からアルカリ玄武岩質に変わっていくことが,マントルカンラン岩の直接の融解実験で今回はじめて確かめられた.また融解温度を増加させていくと,得られるアルカリ玄武岩質マグマの組成はシリカに富み,カルシウムに乏しくなるなどの特徴が見られたが,この事実によって天然のアルカリ岩の組成変化をうまく説明することができる.すなわち天然のアルカリ岩は二酸化炭素の存在下で生成され,その組成バリエーションは150度程度のマントルの温度差を反映していることが示唆された.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)