Project/Area Number |
08740421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
工藤 勲 北海道大学, 水産学部, 助手 (00195455)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 硝酸還元酵素 / 鉄 / 植物プランクトン / 生物生産 / 新生産 / クリーンテクニック / 微量金属 |
Research Abstract |
海洋において植物プランクトンの増殖に不可欠な鉄の重要性は、近年、世界的に注目されている。それは、その濃度が極めて低濃度であることと、人類起源による二酸化炭素の増大がもたらした地球温暖化に際して、海洋がどの程度二酸化炭素を吸収できるかということに密接に係わっているからであると思われる。特に植物プランクトンが硝酸塩を利用する際に必要な硝酸還元酵素が鉄を必須とすることから、鉄欠乏時にはどの程度硝酸塩利用効率が変化するかを知るためには、この硝酸還元酵素を測定することは、有効な手段であると思われる。そこで本補助金によって鉄と植物プランクトンの生長と硝酸還元酵素の出現との間の関係を解明した。解明された主な点は、クリーン技術を導入し、培養液中の鉄濃度を除去し海水中と同程度(1nM)にまで減少させた。この無鉄培地と鉄を十分量添加した培地中で植物プランクトンを培養した結果、生長速度に差異が認められ鉄不足によって生長制限を受けた細胞を得た。同時に硝酸還元酵素の測定を行った結果、鉄制限細胞では、ほとんど酵素活性が現れなかった。この活性は、培地中の鉄濃度の減少に伴う生長速度の減少に伴い徐々に減少した。このことは、鉄欠乏がこの酵素の出現に関与していることを強く示唆するものと思われる。また窒素源としてアンモニウム塩のみを添加した場合、硝酸還元酵素活性は、認められなかった。これはアンモニウムは、すでに還元された形でありこの酵素を必要としないためと思われる。つまり、植物プランクトンが硝酸塩かアンモニウム塩を窒素源として利用する場合、アンモニウム塩利用型のほうが鉄の要求量は、小さいことが示唆された。
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