Project/Area Number |
08740438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥西 みさき 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80224161)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 交差分子線 / ポンプ・プローブ法 / 分子衝突 |
Research Abstract |
速度の揃った2本の分子線を交差領域で衝突・散乱させる交差分子実験は、原子・分子の衝突に伴う様々な散乱過程の研究の最も有力な手法としてよく知られている。本研究の目的は、パルスレーザーとパルス分子線を併用することにより、比較的小型の真空排気系を用いて、光励起原子・分子衝突実験のための交差分子線装置を製作することにある。 今回製作した交差分子線装置は、それぞれ別々に排気される3つの部分から構成され、主排気室の中心部で各副排気室から発生した2本の超音速分子線を、スキマ-で切り出した後に交差させる構造となっている。主排気室の上下にレーザー光の入射ポートを取り付け、分子線の交差領域で(直線偏光または円偏光した)ポンプレーザーとプローブレーザーの光を照射する。まず、ポンプ光により片方の分子線中の原子・分子を光励起する。励起された原子・分子の一部はもう一方の分子線中の分子とある一定の相対速度で衝突し、その結果、エネルギー移動や化学反応等の非弾性散乱過程が生じる。この際に生成した原子・分子をプローブ光によるレーザー誘起蛍光法や共鳴多光子イオン化法を用いて内部状態まで選択して検出する。装置の製作は本研究所の機械工場にて行った。製作は既にほぼ完了しており、現在、その立ち上げと性能テストを兼ねて、光励起水銀原子と分子(N_2およびCO)との衝突による微細構造間遷移過程(Hg 6^3P_1→6^3P_0)に関する実験を行っており、この過程の相対速度依存性やポンプレーザー光の偏光方向依存性等の結果が得られている。
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