マイクロ波分光法による遷移金属を含む多原子・多重項ラジカルの研究
Project/Area Number |
08740457
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岡林 利明 静岡大学, 理学部, 助手 (70224045)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 遷移金属 / 多重項ラジカル / マイクロ波分光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不揮発性の遷移金属原子を含む多重項ラジカルのマイクロ波分光法を用いた検出法の確立、およびそれらの分子種の構造、結合性、電子分布等の性質の究明である。まず二原子ラジカルについての生成法を確立し、ついで多原子ラジカルに対して拡張を試みた。第4周期の遷移金属(Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn)の化合物についての研究を行った。本年度中にまだ多原子ラジカルの検出には至っていないが、二原子ラジカルについてはさらに研究を進める事ができた。遷移金属を含む多重項ラジカル生成の生成法としてために、次の3種の生成法の開発を行った。 1、電極からの金属原子のスパッタリング:この方法により、さきに報告したFeCl、CrCl、CrFラジカルの生成に加え、さらに今回CuH、NiFのマイクロ波スペクトルをはじめて検出することができた。Cu、Miの供給源としてはステンレス電極上に散布した金属粉末を用いた。この方法は金属電極を用いる方法よりも安価であり、また伸展性の乏しい金属にも適用できる利点がある。今回のCuHの検出は計算化学や星間化学の分野で重要であると考える。またNiFでは電子スペクトルから予想されていた低い電子励起状態からの大きな摂動の影響が見られた。以上のようにスパッタリング法をマイクロ波分光法と組み合わせて使う手法を、ほぼ確立する事ができた。 2、揮発性金属化合物の利用:上記の方法とは逆に、この方法は現在までのところ有効ではない結果のみが得られている。数々の揮発性金属化合物を用いて多重項ラジカルの生成を試みたが、まだ検出には至っていない。今後さらに改善してゆくつもりである。 3、高温セルの利用:現在製作を進めている。本年度中には完成させることが出来なかったが、今後主力の方法として開発を進めてゆく。 以上の方法についてより感度を高め、検出の難しい多原子ラジカルへ適用して行くつもりである。
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Report
(1 results)
Research Products
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