Project/Area Number |
08740461
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺澤 昇久 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教務職員 (70260627)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 全角運動量子数 / 4重項励起状態 / ハロゲン原子 / 希ガスエキシマー / 電子線パルス / 光学的禁制状態 / 再結合過程 / 中性解離過程 |
Research Abstract |
1〜20気圧の希ガスに電子線を照射すると、3体衝突過程を通して希ガスエキシマーが生成する。ここに少量の多原子分子を混入させておくと、希ガスエキシマーが大きな電子的励起エネルギーを保有していることから、分子は容易に分解されて、分子を構成する原子を生成する。 8気圧のHe、NeまたはArに、SF_6、CCl_4、CF_2Br_2、CF_3Iを0.1 Torr添加し電子線パルスを照射したところ、光学的禁制状態にある4重項励起ハロゲン原子が生成した。最も低い励起状態の4重項状態には、全角運動量量子数の異なる3つの状態(^4P_<5/2>、^4P_<3/2>、^4P_<1/2>)がある。測定したこれらの状態の生成強度比がボルツマン分布にしたがわないことから、高圧の条件下にもかかわらず、速やかに平衡にならないことがわかった。なお、生成強度比は状態縮重度の比に等しい値を示しており、それぞれの状態の数に等しく分配されていくことがわかる。 実験で電子線パルスを利用して、生成した励起種強度の時間変化を測定した。Heの場合、励起He原子は電子線を照射してすぐにピーク強度に達し、四重項励起F原子およびCl原子はそれぞれ0.4μs、0.2μs後にピーク強度に達した。希ガスエキシマーが観測されなかったことから、励起He原子は速やかにハロゲン化合物により脱励起される。励起He原子によりイオン化されたハロゲン化合物は、電子と再結合し、中性解離過程を経て、四重項励起ハロゲン原子をゆっくりと生成すると考えられる。NeおよびArの場合、励起希ガス原子および励起ハロゲン原子の生成強度の時間変化はHeの場合と同様の傾向を示し、また希ガスエキシマーも観測された。測定された励起ハロゲン原子の強度がHeの場合よりも大きいことから、励起希ガス原子以外に希ガスエキシマーによっても生成している。
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