Project/Area Number |
08740466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
常盤 広明 立教大学, 理学部, 講師 (10221433)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エネルギー成分 / 運動エネルギー / 電子密度 / 立体障害 / 共役効果 / 分子内回転 |
Research Abstract |
1.エネルギー成分の核座標微分値を用いた立体障害の原因の解明 一般的な反応座標上でのエネルギー成分解析法を分子内回転座標上での解析に適用するため、エネルギー成分の核座標微分値を計算するプログラムを新たに作成し、汎用計算システムGaussian94中に組み込んだ。エネルギー成分の核座標微分値を用いて、有機化学における最も基本的な概念のひとつである立体障害の原因を解明した。特に本年度は、回転置換基が孤立電子対を有する場合について考察した。その結果、分子内回転に基づく立体障害の原因は、飽和炭化水素であるエタンの場合と同様に、孤立電子対を有する場合も、電子の運動エネルギーによる力、すなわち電子の運動範囲の束縛が第一原因であることが判った。この結果は、1997年3月の日本化学会春期年会第72会および1997年6月アメリカ、アトランタでの量子化学国際会議で発表し、統一的な見解を得た後、専門誌に投稿予定である。 2.電子密度の解析的微分値 Hartree-Fock法におけるMulliken Populationの核座標微分値を解析的に計算するプログラムを作成した。この微分値は半定量的に原子ごとの電子密度の微分値に対応させることができるため、初期実験として、アニリン、ニトロベンゼン等の典型的な共役効果を示す有機分子における置換基の回転および伸縮モードに適用し、矢印電子論と対比した。その結果、従来の有機電子論が示唆する共役結果を正しく再現することが判明した。
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