非線形光ゲート法によるサブピコ秒蛍光スペクトル測定と溶液光化学への応用
Project/Area Number |
08740474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
竹内 佐年 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (50280582)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フェムト秒 / 時間分解分光 / 蛍光 / アップコンバージョン / レチナ-ル / 振動子強度 / 励起一重項 / 緩和過程 |
Research Abstract |
本課題研究の目標は、短パルスレーザー光を用いた時間分解蛍光分光装置を製作し、その高感度、高時間分解能特性を最大限に活かして、分子の光化学的性質やダイナミクスの解明に応用することであった。今年度、この方針にそって、蛍光アップコンバージョン法により、レチナ-ルの励起一重項内での超高速緩和ダイナミクスを定量的に明らかにすることができた。この成果は、現在Journal of Physical Chemistryに印刷中である。 全トランス型レチナ-ル(ヘキサン溶液)の時間分解蛍光測定の結果、これまで知られていた、S_1発光に帰属できる「遅い」成分(寿命τ=33ps、λ_<max>=560nm)に加えて、「超高速」成分(τ=30±15fs、λ_<max>=430nm)、「速い」成分(τ=370±20fs、λ_<max>=440nm)に二成分が新たに見いだされた。13の波長点での測定データから求めた超高速、速い、遅い成分のスペクトルが順に長波長側へ移動することより、これら三成分は光励起後に現れる三つの励起一重項状態に対応すると解釈した。三励起状態の振動子強度を評価するため、色素溶液との時間分解蛍光強度の直接比較を行い、それぞれ1.0、0.024、0.0018と求めた。レチナ-ルの低エネルギー励起一重項には、一つの一光子許容状態(^1B_u)と二つの一光子禁制状態(^1A_g、^1nπ^*)の存在が知られている。本実験データ(励起エネルギー、振動子強度、吸光係数など)をもとに、観測した上記三蛍光成分を順に^1B_u、^1A_g、^1nπ^*状態からの蛍光に帰属することができた。 本実験では、光ゲート媒質として非線形光学結晶を用いて高い時間分解能を達成したが、さらに広帯域性も実現するため、光カー媒質を用いた実験へ改良中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)