Project/Area Number |
08740504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松原 浩 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20239073)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フラーレン / シクロトリベラトリレン / クリプトファン / 機能性材料 |
Research Abstract |
本研究では、フラーレンを有機分子で包み込んでカプセル化し、それによってフラーレンの持つ特異な電子的・立体的構造を保持したままで材料中に組み込むという目的で、カプセル分子の設計・合成を行った。 カプセル分子は、フラーレンとの包接化合物が知られているシクロトリベラトリレン(CTV)を基にして、分子設計した。CTV誘導体であるバニリルアルコールの環化3量体(CTV-(OH)_3))を収率よく得ることができたので、当初の計画通り、ルート1より検討した。CTV-(OH)_3にベンゾイル基やp-ビニルベンゾイル基、p-アニシル基等をペンダントさせて、フラーレンC_<60>との相互作用を可視紫外吸収スペクトルで調べたが、明確な変化を認めることはできなかった。今後はCTVを架橋したCTVダイマーを合成し、次いで種々の置換基をペンダントさせることを考えている。 ルート1では目的を達成することができなかったため、ルート2の検討に移った。ここでは、側鎖にテトラエチレングリコールを用いたクリプトファン(Cryp-TEG)の合成に成功した。Cryp-TEGのフラーレンC_<60>に対する包接能についてもルート1と同様、可視紫外吸収スペクトルで調べたが、やはり明確な相互作用を認めることはできなかった。そこで、側鎖にフラーレンとより相互作用しやすいと考えられる、芳香環を持つジフェニルメタン架橋クリプトファン(Cryp-DPM)の合成を試みた。ところが、環化反応の際に溶媒であるギ酸に原料が難溶なため、Crypt-DPMは痕跡量しか得られず、相互作用等を検討するには到っていない。現在、Cryp-DPMが収率よく得られるように反応条件を検討している。 以上のように、本研究ではカプセル化には到らなかったが、カプセルの前駆体であるCTV誘導体やクリプトファンの合成に成功した。
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