Project/Area Number |
08740529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
前田 はるか 理化学研究所, 核化学研究室, 研究員 (80260199)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レーザー多光子共鳴分光 / 長寿命放射性同位元素 / 光電離確率 |
Research Abstract |
本研究の目的は、微量の長寿命放射性同位元素の高感度検出を、レーザー多光子共鳴分光法を用いて行うための、測定装置を開発し、それを用いて、化学的、或いは物理的に興味深い放射性同位元素の高感度分光測定を試みることにある。本研究では、まず始めに、実験に必要となる真空装置の開発、及びその性能試験を重点的に行った。その結果、着目する同位元素を選択的に多光子励起、イオン化し、生じたイオンを高感度で質量分析することに成功した。特筆すべき点は、真空中で放射性、或いは非放射性の試料を蒸気化するためのオ-ブンを小型化することに成功した結果、真空装置全体をコンパクトにすることができ、容易に起高真空を達成することができるようになった点、扱う試料を極力少量化することが可能になった点、及び小型化したオ-ブンをレーザービームに近接させることで、原子蒸気を効率的にレーザーと相互作用させることができるようになった結果、装置の検出感度を飛躍的に向上させることに成功した点である。続いて、開発した装置を用いて、数種類の元素のレーザー多光子電離実験を行い、本測定法の検出感度を決定する大きな要因の一つである、原子の光電離の確率を精密測定した。測定は、安定同位元素のアルカリ金属元素、アルカリ土類元素、及びインジウム等について行った。得られたデータを理論解析し、レーザー強度と原子の光電離確率との関係に関する興味深い知見を獲得することに、一定の成果をおさめた。今後、開発した装置及び得られた基礎データを用いて、理研リングサイクロトンを利用して生成した長寿命不安定同位元素の高感度検出実験を行うことを予定している。
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