Project/Area Number |
08740532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川俣 純 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (40214689)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 光化学ホールバーニング / 非線形光学定数 / 錯体 / メーカーフリンジ / PHB / THG |
Research Abstract |
本研究では、遷移金属錯体を単分散させたポリマーの光化学ホールバーニング(PHB)材料としての可能性を調査した。まず、PHBの高温化を目指し、配位子の変化ではなく、中心金属の酸化数の変化により二色性を呈する錯体がPHB現象が発現するかどうかを調べた。具体的には[Ru_2(O)(OAc)_2(bpy)_2(Meim)_2](PF_6)_2などを合成し、この錯体をポリビニルアルコール中に10^<-4>M程度の濃度で分散させた試料を種々作成して実験した。しかるに、残念ながらこれらの試料では均一幅0.1cm^<-1>以下のホールは形成されなかった。そこで、申請した研究計画に沿って、PHB現象を呈する既知の錯体Zn-TPP誘導体を含む、主に有機分子をポリマー中有にドープした試料に関する分光学的な検討を徹底的に行った。 その結果、これまで混沌としていた有機分子/ポリマー系PHB材料の均一幅の温度依存性が、金属イオンをドープしたガラスと同様に低温側では温度Tの1乗、高温側ではTの2乗の二つの成分からなる事が明らかとなった。また、この過程で、トリフェニルメタン誘導体による新しいPHB材料を発見した。これらの成果は物理学会で発表する他、現在論文を執筆中である。 さらに、PHB現象は3次の光学的非線形性と関連が深いため、錯体のPHBの可否に関するヒントを得るために、3次非線形光学定数測定も試みた。錯体の3次非線形高悪定数測定は、吸収帯などの問題から従前の手法には依れないため、まず、測定法の開発を試みた。具体的にはKajzar博士の開発した液体の3次非線形光学定数測定法を改良した手法、錯体を単分散したポリマーによりメーカーフリンジ測定を行う手法等である。その結果、後者により比較的容易に3次非線形光学定数測定が行えることが明らかとなった。この成果は化学会の年会で発表する。
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