バイプレンマーを用いた光応答性光信号放出システムの構築
Project/Area Number |
08740546
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 秀毅 岡山大学, 理学部, 助手 (30204043)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | バイプレンマー / 分子記憶素子 / 光化学発光 / 光断熱過程 |
Research Abstract |
バイプレンマー(芳香族化合物の4+4型付加体)の光化学発光を利用した光応答性光信号放出システムの構築に関して以下の知見を得た. 1.合成と光反応 アントラセンとベンゼンをC-N-C3原子の架橋鎖で結合することでバイプレンマー型1とシクロファン型2の光相互変換が可能であった.1のC-S-C3原子又はC-C2原子架橋誘導体では光相互変換が起こらず表題分子素子として作用しない.ナフタレンとアントラセンを2と同様にシクロファン型に結合させた誘導体4では相当するバイプレンマー3を与えるが,3→4の光反応過程に副生成物が存在し光機能素子としては有望でない.ベンゼンとナフタレンの組合せではシクロファン→バイプレンマーの光変換が起こらず表題システムとして作用しない. 2.光化学発光挙動 (1)1の光反応で光化学発光が起こることを初めて見いだし,表題分子素子として有望であることが判った.1の光化学発光量子収率は当初予想していなかった側鎖置換基の立体効果を鋭敏に反映し発光効率が制御できた.置換基の嵩高さが増すほど励起生成物生成の効率が高まった.この置換基効果は2→1の逆反応もコントロールできることが知られており,バイプレンマーの光情報素子としての光応答性を制御する重要な因子となることを明らかにした. (2)1の光化学発光は直線偏光の励起に対し完全に直交していることが判明し,1の光化学発光による偏光面変換素子の可能性が示された.また1の側鎖上に光学活性な置換基を導入するとC_2対称の分子不斉を持つ1'となり,1'とその光異性体2'の分子不斉に基づく円偏光の偏光面変換の可能性についても現在検討中である. (3)C_2対称の1',2'は光化学発光性を保っているのみならず,1'と2'で円2色性,偏光度が変化し,複数の光物性を同時に制御できる多機能記憶-光物性読出素子として有望なモデルとなることが判った.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)