人工ホストによる分子認識を原理とするリン酸イオン選択性電極の開発
Project/Area Number |
08740571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 多点水素結合 / チオウレア誘導体 / リン酸イオンリセプター / 塩化物イオンリセプター / 硫酸イオンリセプター |
Research Abstract |
1.多点水素結合により無機アニオンと選択的に錯体を形成するビスチオウレア誘導体リセプターを開発した.(Tetrahedron Lett.1995,36,6483)このうち,キサンテン骨格を持つビスチオウレア誘導体リセプターはリン酸イオンに対して多点水素結合により安定な錯体を形成することを見い出した.このリセプターは現在報告されているリン酸イオンに対する電荷中性リセプターのなかで最大の錯体安定度定数を持つ.(Tetrahedron,in press) 3.キシレン骨格を持つビスチオウレア誘導体ホストを合成した.このホストに基づく液膜は,硫酸イオンに対して1.5x10^<-6>Mの濃度から電位応答を示し,妨害イオンの影響も少ない.この液膜のイオン選択性及び感度は,これまで報告されている硫酸イオン選択性液膜のなかで最も優れている. 4.多点の水素結合を介して塩化物イオンと安定な錯体(錯体安定度定数(DMSO):860M^<-1>)を形成するビスチオウレア誘導体ホストを合成した.このホストに基づく液膜型イオン選択性電極は,従来のイオン交換体に基づくものよりも塩化物イオンに対する選択性が優れており,血清中の塩化物イオンの定量が可能である.(A nal,Chem.in press) これらの結果は,水素結合部位を有する電荷中性ホストがアニオン選択的液膜のための感応物質として有効であることを示している.現在更に優れた選択性をもつリン酸イオン及び塩化物イオン選択性液膜を開発するために,水素結合受容部位を2ヵ所ないし3ヵ所持つチオウレア誘導体リセプターの分子設計,合成を行なっている.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)