Project/Area Number |
08740582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚谷 裕一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (90260512)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 葉形態形成 / 発生遺伝学 / 葉 / アラビドプシス / シロイヌナズナ / 子葉 |
Research Abstract |
葉の発生の遺伝学的な制御機構を理解することは、植物の形の理解、ひいては植物における生物多様化の仕組みを理解する上でも必須である(Tsukaya,1995a,b)。しかしながら双子葉植物では、葉の発生の際、細胞分裂と細胞伸長とが同時かつ同所的に起こるため、時間軸と空間軸とのみを頼りとする解剖学では解析が困難であった。本研究はそこで発生遺伝学的手法を導入することで、解析を進めてきた(Tsukaya,1995a)。その結果まず、rot3変異体とan変異体との解析から、アラビドプシスの葉の全形は、細胞レベルでの極性伸長を通じて、縦方向と横方向との二方向独立に制御を受けていることが明らかになった(Tsuge et al.1996)。その他、LAN1遺伝子はAN,MACのいずれの遺伝子とも独立に、葉の細胞の伸長と分裂と両方の制御に関わると考えられる(Kim et al.,submitted)こと、またAS1遺伝子もAN遺伝子とは独立に働いて葉身への細胞供給制御に関わっていることを明らかにした(Tsukaya et al.,submitted)。 いっぽうアラビドプシスの子葉の特性((Tsukaya et al.1994)を活かし、子葉の変異体のスクリーニングを行なったところ、子葉のみに特異的な変異体は見いだせなかった。胚発生の変異体として知られていたlec1変異体は唯一の候補となったが、マーカー遺伝子を使ってその発生を詳細に解析した結果、実はlec1変異体は本葉にも変異形質をあらわしていることがわかった。また、子葉が正常で本葉に特異的に変異形質のあらわれる変異体について、lec1変異体との間で二重変異体を作製したところ、いずれもがその変異形質を子葉にもあらわすようになった。また、本葉特異的変異体のアリルを探索してみた結果、変異の程度によって子葉にも表現型があらわれることのあることが判明した。以上の結果より、子葉と本葉とは同一種の器官であり、ある程度共通の遺伝的制御系のもとにあることが推察された。 さらに、以上の解析を通じてその存在が明らかとなった遺伝子本体の解明を目指し、T-DNAタグラインからの葉形態形成関連遺伝子の単離を試み、1つ、葉身に弱い短縮を生じさせる変異と、リボソームタンパク質遺伝子のスペーサー領域に挿入されたT-DNAとが連鎖していることが判明した。現在、これを含めてタグラインの解析を進行中である。以上の本研究は本年度日本植物学会奨励賞および日本植物形態学会奨励賞を受賞した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)