Project/Area Number |
08740586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
古屋 伸久 東京都立大学, 理学部, 助手 (50244413)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | バクテリア / プラスミド / 接合伝達 / R64 / oriT |
Research Abstract |
本研究は、プラスミドR64の接合伝達起点(oriT)において見い出された組換え現象の機構を解明することを目的として行われ、以下の成果を得た。 ・oriT配列の機能領域の同定:接合伝達の際にはoriT配列中に部位特異的ニックが導入され、ニックの導入されたDNA鎖が伝達される。クローン化したR64のoriT配列を用いてDNA伝達の開始と終結に必要な領域を調べた。その結果、DNA伝達の開始には、oriT特異的ニッケースであるNikABタンパクの認識配列と考えられる、ニック部位を含む約30bpの領域が必要とされたのに対して、DNA伝達の集結には、その上流も含んだ約90bpの領域が必要であることが明らかとなった。この配列中には、逆向き反復配列が存在しており、伝達終結の際には、この領域が一本鎖状態となり、特異的な高次構造が形成されると予想された。 ・組換えに必要な配列の同定:pUC系ベクタープラスミドにR64のoriT配列を2個、順向きにクローン化し、nikAB遺伝子を発現する大腸菌に導入すると、2個のoriT配列間で部位特異的組換えが起こり、oriT配列にはさまれた間の部分が欠失する。様々な変異を導入したoriT配列を用いて組換えの有無を調べた結果、2個のoriT配列のうち、前側と後ろ側のoriTで必要な領域が異なっており、それぞれの必要領域が、DNA伝達の開始と終結に必要な領域と一致していた。従って、この場合のoriT配列は、ローリングサークル型のDNA複製の起点として機能しており、前側のoriTで複製の開始が起こり、後ろ側のoriTで複製の終結が起こったために間の領域が欠失したと考えられた。
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