Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
生態的撹乱をそれらの数理モデルに導入することによって本研究の対象となる数理モデリングを行い,その解析を進めた。特に、現在、洪水に代表される河川の撹乱に依存して存続してきたと考えられるカワラノギクなどの河原の植物の動態について、植物個体群動態に関しての基礎モデルとして研究されてきた遷移行列モデルをもとに数理モデルを構成し、数学的および数値計算による解析を行い,その結果を議論した。現在,その成果を論文にまとめつつある。また,平成9年10月14-16日にスペインで開かれるThe First International Conference on Ecosystems and Sustainable Development(Castle of Peniscola,Spain)において講演発表する予定である。カワラノギクのように,周期的に生起する生態的撹乱に依存する植物個体群の存続性は,その周期に密接に関わるような個体群の増殖性およびその生活史が適当であるときに限り期待できる,という結果を数理モデル解析の結果によって明確に論じた。また,周期的に生起する生態的撹乱にその存続を依存する植物個体群については,一年生よりも多年生であることが,あるいは,一年生でなく多年生であることが必要であるような場合があることも示された。一方,恒常環境における相当の微分方程式系による数理モデルに対する、ある時間的周期で発生する撹乱を導入した差分微分方程式系による数理モデリングに関して,単一種系であるMalthus増殖系やLogistic増殖系のダイナミクスの性質の解析を進めつつある。それらの解析は,複数種生物個体群動態に関する微分方程式系による数理モデリング研究の基盤となるものである。
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