高等植物における細胞周期依存的に発現する遺伝子の解析
Project/Area Number |
08740610
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 正樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10242851)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 細胞周期 / サイクリン / PCNA / DNAポリメラーゼ / myb / プロモーター / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
S期に特異的に発現する遺伝子として、二機能性ジヒドロ葉酸還元酵素-チミジル酸合成酵素及びdUTPase遺伝子を新たに同定した。S期特異的遺伝子発現の制御機構のを解明するために、以前から得られていたS期特異的遺伝子(DNAポリメラーゼα、PCNAなど)を含め、遺伝子上流域のクローニングを行った。このうち二機能性ジヒドロ葉酸還元酵素-チミジル酸合成酵素の遺伝子については、その上流域の塩基配列を決定した。この塩基配列には、S期特異的遺伝子として知られるPCNAのプロモーターに同定されているシスエレメントは存在せず、この二つの遺伝子は異なるメカニズムによってS期特異性が規定されていることが予想された。一方、M期に特異的に発現する遺伝子としてニチニチソウから単離したB-typeサイクリン(CYM)の遺伝子上流域を解析した。5′及び3′欠失型プロモーターを用いた実験から、CYM遺伝子上流域に4回繰り返して存在する塩基配列がM期特異的発現に寄与していることが強く示唆された。この塩基配列は、哺乳動物において同定されている癌遺伝子のmybの結合配列と一致していた。また、ダイズ、タバコなど他の植物種のB-typeサイクリン遺伝子の上流域をクローニングし、塩基配列を決定したところ、いずれも複数のmyb結合配列が存在することが明らかになった。現在、このmyb結合配列に変異を導入した改変型プロモーターの細胞周期中での活性変動を解析中である。今後は、このmyb結合配列に相互作用するトランス因子の同定を行う一方、高等植物で同定されている他のM期特異的遺伝子の上流域についても解析を行い、myb結合配列が高等植物のM期特異的遺伝子発現に普遍的に関わっているのかどうかについて検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)