Project/Area Number |
08740614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 正人 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (90222158)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 葉緑体 / タンパク質輸送 / チラコイド / SecY / SecA |
Research Abstract |
申請者は、高等植物葉緑体内におけるタンパク質輸送の分子機構について、生化学的、および分子生物学的な解析を進めてきた。これまでの研究から、高等植物葉緑体内には、SecAタンパク質やSecYタンパク質など原核生物型のタンパク質輸送装置が進化的に保存されて存在しており、チラコイドへ局在化する一群のタンパク質の輸送過程に関与していることを明らかにしてきた。本研究では、さらに、このタンパク質輸送機構が、核にコードされるチラコイドタンパク質だけでなく、葉緑体のゲノムにコードされているチラコイドタンパク質の局在化にも関与しているのかどうか解析を進めた。葉緑体ゲノムにコードされているチラコイドタンパク質としては、cytochrome b6f複合体のサブユニットであるcytochrome fに注目した。cytochrome fはチラコイドの内腔側にそのC末端側に存在する疎水領域で結合していることが知られている。そこで、まず、cytochrome fの遺伝子を、タバコ葉緑体ゲノムから、in vitro転写・翻訳系のプラスミドにクローン化した。これを、用いて、小麦胚芽系により前躯体cytochrome fを合成し、単離したチラコイドへのin vitro輸送実験をおこなった。その結果、前躯体cytochrome fは、チラコイドへ取り込まれ成熟体サイズとなること、輸送実験後のプロテアーゼ消化実験や、可溶化実験から、in vitroで取り込まれ生成した成熟体cytochrome fは、チラコイド膜の内腔側に結合した状態で存在していることを明らかにした。このcytochrome fのチラコイドへの輸送が、SecAの阻害剤であるアジ化ナトリウムや、抗SecA抗体で阻害されることから、葉緑体の原核生物型のタンパク質輸送装置が、核コードのタンパク質だけでなく、葉緑体コードのタンパク質のチラコイド輸送過程にも関与していることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)