下等脊椎動物及び無脊椎動物におけるPACAP発現の分子組織化学的検索
Project/Area Number |
08740636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松田 恒平 富山大学, 理学部, 助手 (60222303)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | PACAP / 下等脊椎動物 / 無脊椎動物 / 脳 / ブロッティング / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
Pittuitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide(PACAP)は下垂体前葉細胞のadenylate cyclase活性を上昇させる視床下部ホルモンとしてArimuraら(1989)によってヒツジ脳よりアミノ酸38残基より成るもの(PACAP38)と27残基より成るもの(PACAP27)が単離、同定され、ヒト、ラット、ヒツジで同一の構造であることが示された。哺乳類以外の動物では両生類の脳よりPACAP38が単離、精製され、哺乳類PACAPの構造と比較してアミノ酸1残基の違いしかないことが報告された。しかしながら、その他の脊椎動物や無脊椎動物の脳におけるPACAPに関する報告は殆ど無い。 本研究では、下等脊椎動物並びに無脊椎動物におけるPACAPの発現の有無について免疫組織化学的、生化学的手法により調べた。 脊椎動物では鳥類から軟骨魚類に至る数種の動物の脳を集め、酸抽出を行い、抽出物を電気泳動し、ウェスタンブロッティング法により免疫化学的に解析したところ、すべての動物の脳内にPACAPあるいは類似物質の存在が認められ、それらの物理化学的性状は良く似ていた。真骨魚類については各種クロマトグラフィー法を用いて、脳よりPACAPの単離、精製を試みた結果、純化物質を得ることに成功し、その構造を決定した。それによると、真骨魚類PACAPのアミノ酸配列は哺乳類や両生類PACAPの配列と極めて良く似ていた。また、真骨魚類PACAPの脳内分布を免疫組織化学的に調べたところ、視床下部視索前野にPACAP抗体陽性細胞を、神経性下垂体、腺性下垂体及び延髄に陽性神経線維を見出した。 無脊椎動物では数種の動物、すなわち、原索、環形、軟体及び節足動物の神経組織について同様の検索を行ったところ、これらの動物にはPACAPあるいは類似物質の存在は認めることができなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)