Project/Area Number |
08740644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
横須賀 誠 (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究部門, 主事研究員 (90280776)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 乳頭前核 / 一酸化窒素合成酵素 / アンドロゲン受容体 / エストロゲン受容体 / 芳香化酵素 / 脳の性分化 / 交尾行動 / C-FOS |
Research Abstract |
性行動誘起の神経機構解明モデルとして、乳頭前核(PM)について以下の成果を得た。 (1)PMにおける性ホルモン受容体と神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の関係:免疫組織化学染色(1HC)で、成体と新生仔ラットのPMを構成する細胞の性質を検討した。その結果、ラットPMは背側核と腹側核に分けられるが(PMdとPMv)、nNOS免疫陽性反応(nNOS-IR)は、PMdとPMvの双方に認められ、アンドロジェン受容体(AR-IR)はPMvのみに認められた。エストロジェン受容体と芳香化酵素はPMに認められなかった。また、成体・新生仔ともAR-IRに明らかな性差が認められた。さらに、PMvでは全nNOS-IR細胞がAR-IRを含んでいた。従って、ラットPMvはエストロジェン転換系ではないアンドロジェンが作用する部位で、アンドロジェンとnNOSが何らかの共作用を行う部位であることが示唆された。 (2)成体ラットPMvと性行動との関係:ラットPMが性行動の神経機構に関与していることを、IHCによるc-FOS蛋白の変化で検討した。その結果、雌ではロードーシス、雄ではマウンティングを示した動物で、これらの行動を示さなかった動物に比べ、明らかなc-FOS蛋白の上昇がPMvで認められた。また、nNOSと二重染色したところ、c-FOS陽性細胞の多くがnNOSを含んでいた。以上から、交尾時にPMvの活動が上昇し、この神経活動にnNOSが影響を及ぼす可能性が示唆された。 本研究から、(I)ラットPMvは性行動に深く関与する部位で、それがアンドロジェンやnNOSによって制御されること、(II)ラットPMvは機能的性差を有し、それが新生仔期のアンドロジェンやnNOSで誘導される可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)