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渓流沿い植物の適応進化に関わる狭葉化遺伝子の解明

Research Project

Project/Area Number 08740663
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 系統・分類
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

村上 哲明  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60192770)

Project Period (FY) 1996
Project Status Completed (Fiscal Year 1996)
Budget Amount *help
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Keywords渓流沿い植物 / ヤクシマダイモンジソウ / ホソバハグマ / キッコウハグマ / 細葉 / 狭葉化遺伝子
Research Abstract

鹿児島県屋久島においてヤクシマダイモンジソウおよびホソバハグマ・キッコウハグマの分布を調べた結果、葉型にしたがったすみわけが見られた。ヤクシマダイモンジソウは渓流沿いに細葉型と広葉型の個体が同所的に生息しているため、台風の直後に観察を行うことで被害の差を葉型別に比較することも出来た。その結果、実際に細葉が受けた被害は広葉に比べて有意に小さいことが分かった。
また、人工気象器(当科研費で購入)内の水害を受けない同一条件下でこれらの植物を比較栽培した。その結果、細葉型の方が成長速度が小さいことが分かった。ヤクシマダイモンジソウについてはこれが種子生産量の減少を引き起こすことも確認した。
以上により渓流沿い植物の細葉が渓流沿いで適応的であることが強く支持された。またこれは同時に成長速度の低下を招き、このバランスにより渓流沿い植物とその近縁種との間にすみわけを生じさせていることが示唆された。
一方、これらの植物群について、その狭葉化を支配する遺伝子数を推定する目的で遺伝学的解析を行った。前者の植物については、細葉型および広葉型の個体の間で交配実験を行い、生じたFl世代の30系統の個体群を用いて葉型の分離様式を調べた。後者の植物については閉鎖花により交配実験が困難なので、自然雑種とされるアイノコハグマを自殖させ、生じた21系統の個体群を用いて葉型の分離様式を調べた。
その結果、ヤクシマダイモンジソウでは細葉型が一つの優性遺伝子の支配されていることがわかった。一方、アイノコハグマの子孫は連続的な葉型の分離を示し、こちらは複数の遺伝子が狭葉化を支配していると考えられた。遺伝学的に渓流沿い植物の適応的な細葉が狭葉化に大きな効果をもつ1つの突然変異によっても跳躍的に生じうることが示されたので、渓流沿い植物の狭葉化が様々な系統群から独立に何回も進化してきた理由も理解できた。

Report

(1 results)
  • 1996 Annual Research Report

URL: 

Published: 1996-04-01   Modified: 2016-04-21  

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