Project/Area Number |
08750008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 敏宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10262148)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 溶液超薄膜 / DCNQI-Cu錯体 / 放射光光電子分光 / フタロシアニン / 有機分子 / 傾斜基板 / グラフォエピタキシ- / エピタキシ- |
Research Abstract |
本研究は、興味深い物性を示す有機物質およびその金属錯体の反応と結晶成長制御を目的として、溶質の蒸着と溶媒蒸気の吸着により溶液の超薄膜を作製し、その中での反応および結晶成長を調べた。 (1)DCNQI-Cu錯体への溶媒吸着の影響と電子分光による反応評価 DCNQI-Cu錯体は、特異な金属・絶縁体転移など、興味深い物性で知られているが、気相からの超薄膜単結晶成長の例はない。CuとDCNQIの共蒸着、および溶媒吸着による反応を電子エネルギー損失分光および放射光光電子分光で調べた。単結晶成長はできなかったが、放射光により入射光エネルギーを変えることによってピークを同定し、反応を評価できると、溶媒吸着により反応が促進されることを明らかにするととも(Ref.1)に、電子エネルギー損失分光によって従来知られていなかった。DCNOQI-Cu錯体の伝導帯の構造についての知見を得ることができた。(投稿中)。 (2)光学的検出法による昇温脱離測定 溶液超薄膜中の有機分子の挙動を調べるため、成長室と直結した光学測定系を作製した。まずこれを有機超薄膜の昇温脱離測定に応用し、従来真空中でしか行えなかった昇温脱離測定が、溶媒雰囲気下でも行えることを示した(投稿中)。 (3)傾斜基板上の原子層ステップによる分子の配列化 溶液超薄膜からの結晶成長を行う上で、結晶方位を揃えるためには基板上に細かい規則構造をつくり、ガイドさせるという方法(=グラフォエピタキシ-)が考えられる。グラフォエピタキシ-を有機分子に用いる試みはいくつかなされてきたが、成功例は報告されていない。この理由を調べるため、単結晶傾斜基板上の原子層ステップガイドとして利用し、フタロシアニン成長膜の結晶構造を電子線回折を用いて調べた。その結果、ガイドの間隔が分子数個分以下でないと分子配列は影響を受けないことが明らかになった(Ref.2-3)。
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