自己形成される半導体微細構造を用いたフィールドエミッターアレイ
Project/Area Number |
08750034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
野村 卓志 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (90172816)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 格子歪 / 自己形成 / 微細構造 / フィールドエミッタ / GaP / GaAs / 分子線エピタキシ / 自発的 |
Research Abstract |
本研究では格子歪によって自己形成される微細構造を利用した、フィールドエミッターアレイ(FEA)の開発を目的として研究を行った.分子線エピタキシ法を用いてGaP(001)基板上へGaAsのヘテロ成長を行い、基板と成長層の格子不整合によって生じる格子歪を利用して自発的に微細構造を形成させ、成長条件に対する形状の依存性を調べた。成長後の表面構造は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて調べた。 その結果、形成される微細構造の形状・サイズは基板温度によってほぼ決定していることが明らかになった。成長温度が400°C程度と低い場合には曲率が大きくなだらかな構造が形成されているが、温度上昇につれて次第に曲率が小さくなり、直径30nm、高さ4nm程度の微細構造が形成されることを示した。また、低温で成長した後アニール処理を行った試料においても、アニール温度と同じ高温で成長を行った試料と同様の構造が形成された。これより、表面の微細構造は単に成長した温度によって決定されるのではなく、温度によって決定される表面での原子のマイグレーションの度合が微細構造の形成を支配していることを示した。 さらに、形成した微細構造を用いて電子放出を試みたが、通常の表面が平坦なCaAsと比べて顕著な差はみられなかった。これは、表面に形成される微細構造のサイズや曲率が電界に大きな影響を与えるサイズに達していないためと推定される。今後は、大きな電子放出が得られるように微細構造の形成条件を検討してゆく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)