遷移金属窒化物フィールドエミッタアレイの作製と電界放射特性の評価
Project/Area Number |
08750036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 康仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (00225666)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 遷移金属窒化物 / 極微電解放射電子源 / 仕事関数 / イオンビームアシスト蒸着法 / 組成 / ガス雰囲気 / 雑音電力 / S-Kチャート |
Research Abstract |
化学エッチングによりピラミッド形に加工したシリコン基板上にイオンビームアシスト蒸着法を用いて窒化ジルコニウム薄膜を形成することにより、窒化ジルコニウムを陰極とする極微電界放射電子源を作製した。基板温度は500℃程度である。ジルコニウムの蒸発速度と窒素イオンビームの電流密度を制御することにより基板に到達するジルコニウムと窒素の比を変化させ、ジルコニウム1に対して窒素が0.8から1.2の間にあるものを作製した。これらの薄膜はX線回折により多結晶であり、ZrN(002)に優先配向したものであることが明らかとなっている。また、電子放出特性に大きく影響を及ぼす仕事関数をケルビン法により測定した結果、化学量論的ZrNの時に最も高い仕事関数を有することが明らかとなった。以上のような素子について、超高真空下、及び酸素ガスあるいは窒素ガスを導入した雰囲気において電界放射特性を調べた。その結果、窒化ジルコニウムからの電界放射はフリッカ雑音はあまり大きくなく、ステップスパイク状の雑音が支配的であることが明らかとなった。同じ仕事関数を有する素子の電界放射特性はS-Kチャート上でも一定の直線上にならび、仕事関数の高い素子ほど雑音が大きいことが明らかとなった。酸素ガスや窒素ガスを導入した場合には、スパイク雑音が増大し、電子放出面積が減少することがS-Kチャートから明らかとなった。これは真空中に放出された電子によって電離した残留ガス粒子が電子放出部位を衝撃するためと考えられる。以上の結果のうち、得られた薄膜とその特性については真空誌に掲載予定であり、電界放射特性についても発表するための準備を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)