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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
核磁気共鳴を利用した生体断層映像法(MRI)は,超高速映像法が実用化の段階に入り,信号収集時間が100msec程度の撮像も可能となってきている.それに対し,映像の再構成時間は100msecを越えるため,実質的な実時間再構成は実現できていない.本研究は,NMR信号記述式に回折式類似性を利用し,光学演算の高速性を利用してホログラフィックにNMR映像の再構成を行おうとするものである.本研究により,以下の知見が得られた. 1.我々が提案しているNMRフレネル変換映像法では,NMR信号を液晶空間光変調器に伝送し,ホログラフィックにNMR映像を再構成することが可能である. 2.汎用MRIで使用されているフーリエ変換映像法では,ホログラフィック再構成は困難である.これは,NMR信号のダイナミックレンジがホログラム媒体の有するダイナミックレンジよりも大きいために情報の損失が大きくなるためである.しかし,非線形磁界勾配を新たに追加して,位相拡散フーリエ変換法とすることにより,NMR信号のエネルギーを保存したままNMR信号のダイナミックレンジを低減することができる.このときのNMR信号ダイナミックレンジはフレネル変換映像法と同等なので、良質な映像再生が可能である. 3.超高速映像法を想定した実時間再構成シミュレーション実験では,極めて滑らかな動画像が再生されることが確認された.また,NMR信号の伝送途中でも偽像の少ない映像が得られた.これは,ホログラムが回折式と同形であることに起因し,部分的なホログラムからでも,ほぼホログラムの領域に対応した映像が得られるためである.これにより,特別なシャッターなどを要しなくても,動画像の観測が可能であることが示された.
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