Research Abstract |
並列光コンピューティングや並列光インターコネクションのための簡易で高精度な光学系構成手法の開発を目的とし,3次元光学系の自導アライメントについて研究を行った.本自導アライメント法では,結像光学系の入力面に置いた光源パターンの像によって出力面に塗布された光硬化性樹脂を露光し,形成された突起(光プラグ)を位置合わせのガイドとして用いて光素子をマウントする.本研究では,反射型ブロック光学系に自導アライメント法を適用して達成可能なアライメント精度を測定した.また,この手法を応用したアライメントフリー光学モジュールを提案し,実験による評価を行った. ガラスブロックと反射型レンズで構成される結像系を構成し,入力面にスリットを置いてアルゴンレーザーで照明した.光硬化性樹脂として感光性ポリイミドを用い,幅100μm,長さ5mm,高さ25μm程度の光プラグを形成した.ガラス平板上に光プラグと等しい幅を持つ溝を形成し,光プラグをはめ込むことができた.形成した光プラグの幅のばらつきが10μm以下であったため,約10μmのアライメント精度が実現できることが分かった. アライメントフリー光学モジュールについては,レンズや入出力面をフレームに固定した2f光学系を光学モジュールとして組み立てておき,これに自導光結合法に基づく光プラグを形成した.二つのモジュールを組み合わせて一つの4f光学系を構成したとき,モジュール同士のアライメントの微調整をしなくても,入出力面にそれぞれ形成されている光プラグの結像関係はほぼ合致しており,そのずれは10μm以下であった. 今後の課題として,アライメント精度の向上には,露光条件の最適化を行い,光プラグの高精度な形成を検討する必要がある.また,結合が容易に行える光プラグの形状の検討や,様々な機能を持つアライメントフリー光学モジュールの開発を行うことが必要である.
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