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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では、メディアの有する時空的な不規則変動特性を確率波動(確率過程と確率場の合成概念)によって数学的にモデル化し、メディア上のオブジェクトの時間・空間変動を記述する確率微分方程式の解の汎関数に対する期待値評価の形で表現した「情報」の時空伝播特性の定量的評価法の開発,および本モデルの工学上の諸問題への適用可能性についての考察を行った。本研究を通じて得られた主な結果は以下の通りである。 1.ランダムメディア上のオブジェクトの変動を記述する確率微分方程式の解(数学的にはやはり確率波動と認識される)の汎関数として表現し得る量を広義の「情報」と認識する新たな考え方を提案した.この考え方は数学的見地から抽象的に構成されているため,種々の問題に対応し得るものであることが期待できる. 2.このような「情報」の定量的評価法として,重点サンプリング法を適用する数値シミュレーション手法を提案した.本手法はGirsanov変換を利用したNewtonの手法を応用したものであり,通常のモンテカルロ法では評価が難しいと考えられる「稀な情報」の定量的評価に極めて有効である. 3.本提案手法を、工学上の重要な問題の一つである時間依存型システムの信頼性評価の問題に具体的に応用した.この応用において注目される点は,「稀な情報」の一つの典型的な例と認識される,システムの極めて微小な破壊確率値およびその時間変動をそれほど多くないサンプルの発生のみで効率的に評価し得ることを明らかとしたことである.また,シミュレーションにおける推定精度は,いくつかの厳密解の知られている簡単な例を通じて良好であることを確認した.
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