Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,周期境界条件を使うユニットセルモデルの特性を統計力学的にばらつかせ,それらを非線形ばねを使って統合することによってより現実的な巨視的変形挙動を導出する手法を開発することを目的とするが,巨視的変形挙動の予測精度を上げるためにはユニットセルモデルの精度を定量的に検討できるモデルで解析する必要があることから,まずユニットセルを使ったSi単結晶の弾性変形の分子動力学シミュレーションを行った. 分子動力学シミュレーションではダイアモンド構造をとるSiの単位胞を<100>,<010>,<001>方向に3個づつ,計27個の単位胞で構成される立方体を考え,それをユニットセルとしそれが各方向に繰返されるという周期境界条件を考えた.このユニットセルに<100>方向の引張り変形を与え,弾性特性を検討した.弾性特性としては実験によって定量的に検討できるラマン散乱のラマン振動数の移動量に注目した. ラマン振動数は変形によってSi単結晶の格子振動の対称性が崩れることによって変形に比例して移動することが知られている.本研究では分子動力学シミュレーションから得られる各原子の速度の自己相関関数をとりそれをフーリエ変換することによってラマン振動数を求めた.また実験によって得られるラマン振動数,ならびに変形によるその移動量とシミュレーション結果を比較することによってその精度を検討し良好な結果が得られた. 今回の研究ではユニットセルから得られるシミュレーション結果の定量的検討をし良好な結果が得られることがわかった。今後の課題としてはこのようなミクロなシミュレーション結果からマクロな物性値を推定する手法の定量的な精度の検討が必要である.
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