Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
電子材料のスライシング加工では,カ-フロスの低減と切断精度の向上という相反する2つの要求をいかに同時に満足させるかが大きな課題となっている.本研究ではこの課題を解決するための一つの方法として、ブレ-ド外周断面のコーナー部の切れ味を電解ドレッシングにより制御したいと考えている。本研究ではそのための基礎実験を行った.実験には厚さ0.3mmのメタルボンドダイヤモンド砥石を使用した.このブレ-ドに対し,電解ドレッシングのための電極を次のようにして製作した.まず,小さな二枚の銅板を用意し,厚さ0.1mmのガラス板を間に挟んでこれらを接合する.接合した電極全体を不導体膜で覆った後,砥石カバーに固定された直進式のマイクロメーターヘッドに取り付ける.この際,ガラス板の中央面を含む平面がブレ-ド中央面を含む平面と一致するようにする.次に,回転しているブレ-ドに対して電極を接触させ,局部的に不導体を除去する.その後,電極をブレ-ドからわずかに後退させ,ブレ-ドと電極との間に隙間を与える.これによってブレ-ド外周の左右コーナー部だけを局部的に電解ドレッシングする電極を製作することができた.この電極を用い,電解ドレッシングを行った.研削液には無機塩とアルカリ(アミン,無機アルカリ)を主成分とし、これに非鉄金属防食剤,防食剤を添加したケミカルタイプを使用した.実験は次のようにして行った.まず,電解ドレッシングを行わずに切断を行い,切断軌道の偏位を測定した.次に,両電極間に10Vの電位差を与えて5分間電解ドレッシングした後,切断実験を行って切断軌道の偏位を測定した.その結果,電解ドレッシングの前後で切断軌道の偏位がマイナスの電位を与えた側に約20μmずれた.以上の実験結果から,電解ドレッシングによって切断中のブレ-ドのたわみ量を制御することが可能であることがわかった.
|