Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,近年急速な高性能化を示すコンピュータを軸に高硬度材の高速切削における実験環境とシミュレーション環境を統合し,相互に結果をフィードバックし利用できるシステムの開発を目的として行われた. 実際に高硬度材として焼入れ鋼(SK11(HRc60),SKD61(HRc54))を,Φ10mm,ねじれ角45°,6枚刃の超硬コーテッドエンドミルで加工し,その際の切削力,工具損傷,加工後の表面性状などを測定した.これには,マシニングセンタを用いて切削を行い,切削力は圧電型動力計を用いて測定し,測定値は高速・高精度AD変換ユニットとパーソナルコンピュータからなる測定システムに直接取り込み,データ処理を行えるようなシステムを構築した.これにより迅速な測定とデータ処理が可能となり,広範囲な切削条件によるデータ収集が行えた. 実験結果として,切削力は切削速度が高いほど低下すること,切削面の表面性状も切削速度200m/minと50m/minでは前者の方が良好であることが明らかとなった.また,エア-ブロ-により冷却を行い,かつ切削長100mmの繰り返し加工を,十分な冷却時間を設けて加工を行った場合,高切削速度の方が結果的に工具の温度上昇が抑えられて工具寿命が長くなることがわかった. また,有限要素法による切削シミュレーションは十分な結果が得られなかったが,エンドミルのねじれ角や直径,切削条件を与えることにより,迅速に切削力変動を求めることが可能なシミュレーション法を開発し,それらの影響について検討した. 高硬度材の切削加工は新しい工具,工作機械の開発により,かなり実用に耐える域に達していると思われる.今後はそれを活かす工具経路の生成やその際の加工物表面の粗さや残留応力の制御が重要な課題となるであろう.
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