第一原理分子動力学計算による炭素・金属界面反応の解明と濡れ性制御への応用
Project/Area Number |
08750149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機械工作・生産工学
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
豊田 洋通 愛媛大学, 工学部, 助手 (00217572)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 濡れ性 / 接触角 / 第一原理分子動力学 / Hartree-Fock / 相互作用エネルギー / 超高真空 |
Research Abstract |
本年度は科学研究費補助金の援助を得て研究を行い、以下の成果を得た. 1.超高真空中における高純度炭素基板に対する液体金属の濡れ性実験 超高真空濡れ性実験装置を用いてAu,Ag,Cu,Al,Fe,Tiの高純度炭素およびタングステン基板に対する接触角の測定方法を確立し,従来の他者のいかなる研究においても成し得なかった再現性・信頼性の高い測定結果を得た.本測定法は研究代表者の考案したオリジナルな方法であり,最大の特徴は電子顕微鏡を用いた微視的な観察と,超高純度Arスパッタを用いた試料表面のin-situ清浄化にあるといえる. 2.第一原理分子軌道計算による実験結果の評価 NECスーパーコンピューターSX用分子動力学計算プログラムAMOSSを用いて,二原子分子モデルによるHartree-Fock分子軌道計算を行い全ての濡れ実験系の組み合わせの異種原子間相互作用の計算を行った.遷移金属の性質をよく調べるため,結合軌道の電子の全スピン状態を考慮した計算を行った(制限開殻Hartree-Fock計算),系の結合エネルギーは実験結果から得られる相互作用エネルギーと定性的に良く一致し,実験結果と計算方法の正当性が認められた.結合軌道の混成状態の詳細な分析により,濡れ性がs軌道の混成結合の強さに,相互拡散性がd軌道の混成結合の強さに関係することがわかった.量子力学を用いた濡れ性の解明の成功は国内外を含めて初めてのことである. 以上の成果は平成8年度中に2つの国際会議にて発表を行った.(計算物理関係,精密工学関係)
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)