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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
流体中を沈降する微小物体の微視的観察システムを製作し,静止流体中を沈降する球形粒子群の運動を計測した.倒立顕微鏡をステージの面が垂直になるように設置し,フローチャンバとしてポリスチレン製の光学用セルをメカニカルステージに固定した.球形粒子として,直径90μmのポリスチレンラテックス粒子を使用し,数十個程度の粒子群の沈降現象が見られるようにするため,マイクロピペットを使用して0.2mlのラテックス粒子懸濁液をはかりとり,これを水で満たしたフローチャンバ内に吐き出し沈降を開始させた.粒子群は沈降とともに視野からはずれるため,手動でメカニカルステージを移動させ視野の中へ戻す操作を繰り返す必要があった.各粒子の運動の様子を顕微鏡に取り付けたCCDカメラによって撮影し,ビデオに録画した.その後,粒子の画像を画像速度計測装置Nexus Qubeへ入力し,PTVによって各粒子の運動速度を算出した.沈降を開始した粒子は下端に粒子の凝集体ができ,一対の渦運動を伴いながら沈降した.また沈降とともに凝集体は分裂し,沈降速度が遅くなっていく.また上部では,取り残された単独の粒子がゆっくり沈降していく様子が観察された.これらの結果は,研究代表者らのStokesian dynamicsによる流体力学的相互作用を考慮した計算で予測されたものと非常によく一致する.今後は非球形粒子のサンプルを用いた実験を行うほか,せん断流の発生機構を組み込んだフローチャンバーを作成し,流れの中における粒子の沈降現象を調べていく計画である.
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