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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
固体力学の実験手法として光弾性測定法の欠点を補い,かつ経時変化比較を行うことのできる方法として開発された光弾性ホログラフィ干渉法を高分子流体の流れにより発生する応力場の解析に適用した.プラスチック成形加工においてもっとも重要な流路要素である二次元急縮小流路を実験流路として選択し,可視化部を工学ガラス,その他の部分をアクリル樹脂を用いて作成した.収縮比は1:4とした.高分子流体として実験計画ではチューブ状ミセルを形成し粘弾性特性を示す界面活性剤水溶液を使用する予定であったが,水溶液の均一性に疑問がもたれたため,機械的・光学的特性が文献より参照できたポリイソブチレン・テトラデカン溶液を使用した.試験流路内に試料である高分子流体を満たし,流体が静止してから十分に時間が経過し,流体内の応力が緩和した状態で基準ホログラムを撮影する.このホログラム上には高分子流体の光学的特性のほかに流路や各光学素子の歪みや傷など,一般に光弾性実験では完全に排除しなければならないようなノイズの情報も記録される.このホログラムに流動状態におけるホログラムを重ねると,流動開始前と比べて光学的に変化のあったところで干渉縞が発生する.流路,光学素子の歪みや傷は流動開始前後で変化しないため,これらの情報は実験結果にはまったく影響を及ぼさない.定常流動状態において撮影を行い,本手法を適用することにより従来では得られなかった鮮明な干渉縞が撮影できた.この干渉縞は,流動により流体内に発生した応力場の等主応力差に比例する縞模様である.本実験では,さらに,停止状態から急激に流動を開始し定常流れに達するまでの過程,すなわちスタートアッップ流れにおける応力場の発達過程を実時間で観測し,流量の増加過程と応力分布の変化の対応を明らかにすることができた.
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