Project/Area Number |
08750204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fluid engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 公一 大阪大学, 工学部, 助手 (10243180)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | Turbulent Shear Flow / Oscillating Flow / DNS / Data-base / Quasi-streamwise vortex / Drag reduction / Contrl of turbulence |
Research Abstract |
異なる条件下での溝乱流場の直接シミュレーションを実施し、生成されたデータベースをもとに縦渦のダイナミクスと制御に関する検討を行った。 1)主流と直交する方向に壁面を周期的に振動させたとき、壁面せん断応力の著しい減少が確認されるが、この抵抗低減は、壁近傍に存在する主流方向に軸を持つ縦渦の活動が抑制され、消滅することで実現されることを示した。そして、この抵抗低減の主たる要因は縦渦自身の渦の引き延ばし機構が抑制されることによるものであることを明らかにした。 2)縦渦の生成・維持、あるいは乱流制御下での機構を詳細に検討するには、縦渦のダイナミクスに関する正確な評価方法の確立が重要である。そこで本研究では新たに縦渦自身を構成する過度ベクトルに着目し、このベクトル方向を基準に、縦渦の生成項を、渦の引き延ばしによる効果と局所流れにより渦軸が転向されることによる効果に分解する評価方法を提案し、それに併せて、個々の縦渦に対する高解像度なDNS(ミニマル流)を実施した。その結果、縦渦の中心部(コア)の周囲のうち縦渦の壁面に対する吹き上げ側において、縦渦自身が強いスパン方向のせん断層を巻き上げ、これらがコア部周囲で流れ方向に転向されること、さらにこの転向された渦はコア部で流れ方向に引き延ばされることが示された。これら結果から、壁近傍の渦層の巻き上げの抑制は縦渦制御に効果的に作用することが予想され、渦層の巻き上げの指標として、壁近傍に存在するストリーク構造の局所制御を試みた。このために非等方な拡散型の外力を導入し、実際に大幅な抵抗低減効果が現れることを数値的に示した。 3)個々の縦渦は流れ場に一様には存在せず、集中した領域が現れる。これらを縦渦群と定義し、そのダイナミクスについて検討することが乱流の能動制御に新たな視点を提供できると考えている。本研究ではそのために主流方向に長大な溝乱流のデータベースからこの縦渦群の挙動について調べた。その結果、縦渦群は下流側に発達・維持・減衰し、この縦渦群の上部には大スケール構造が存在することを示した。この大スケール構造の役割を考察するため、流れ場を大スケール構造と縦渦群構造のスケールに分離し、このそれぞれについてシミュレーションを行った。その結果、縦渦群は極めて短時間に消失してしまうが大スケール構造は壁近傍の緩やかなせん断層の変形を引き起こしながら下流側へ移動すること、すなわち、縦渦群の発達・維持には上部の大スケール構造による大規模なせん断層の変形を含む場の状況設定が不可欠であることを示した。また、これら縦渦群の領域についてのみ、前述の拡散制御を行うと、制御された領域のみが抑制され、周囲の縦渦・縦渦群の発達・減衰にはほとんど関与せず、縦渦群が独立した集合体として運動している様子を示した。
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