Project/Area Number |
08750209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fluid engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 厚史 九州大学, 工学部, 助教授 (10243924)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レーザー加熱 / 質量分析計 / 熱伝導シミュレーション |
Research Abstract |
流体に関する振動や騒音の能動的制御の先端的手法としてレーザー照射による波源の生成を試みた。まず、現有の高出力連続発振Nd:YAGレーザー(波長1064μm)の共振ミラー間にAO-Qスイッチを挿入し、その高周波駆動装置を新規に購入して任意の周波数でパルス発振できるように改造した。最大50kHzの周波数で最大平均出力約80Wで赤外レーザーパルスが照射可能となった。着色紙ならば集光せずともたちまち発火する程度のものである。これを金属面およびカーボン面に照射して周囲の流体への作用を計測していたところ、共振ミラーがパルスレーザーの出力に耐えきれなくなって一部破損し、平均出力が10W程度に低下した状態での実験となった。予定よりかなり微弱となったこの波源の様子を調べるために、ターゲットを真空チャンバー中に設置してレーザーを集光して照射し、加熱によって蒸発した分子を質量分析計を用いて計測することとした。再現性をよくするため、ターゲットはバルクではなくスポット状の蒸着膜とし簡易に製作可能なアルミニウムを対象とした。結果としては、周波数が高いほどレーザーのエネルギーが効率よく熱に変換されること、膜厚(25nmから200nm)によって蒸発の様子は変わらないこと等が明らかになった。また並行して実験に則した熱伝導シミュレーションを行い、アルミニウム内部の周期的な温度変化が明らかにできた。特に、同じW数でも周波数の低いほど熱への変換が少ない理由として、1パルスあたりのエネルギーが強いために衝撃波として基板へ散逸されてしまう点をモデル化して組み込むことで実験結果と良い一致が得られた。ただし本来の目的である周囲の流体への作用については特に実験面で今後も研究を続ける予定である。
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