Project/Area Number |
08750230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 尚史 名古屋大学, 工学部, 助手 (90262857)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 数値流体力学 / 有限差分法 / 流出境界条件 / 非圧縮流れ / 粘性流れ / 渦 |
Research Abstract |
空間発達流における流体運動や熱輸送の数値シミュレーションでは流出境界条件が重要な問題である。計算機能力の制約から、有限の領域内で人口的な流出境界条件を与える必要があるが、適切な境界条件は明らかでない。本研究では、比較的精度の良い境界条件として使われるようになってきたSommerfeld放射条件と呼ばれる境界条件の高精度化に関する研究を行った。特に、Sommerfeld放射条件の対流速度の取り扱い方法が解に与える影響を数値実験より調べ、より高精度の対流速度決定方法について考察を行った。 数値実験は粘性流体の一様流中を対流するHillの球形渦の三次元流れ場を対象とした。レイノルズ数は500である。この流れ場に三つの流出境界条件を適用した。それらは、対流速度に一様流速度を用いるSommerfeld放射条件、研究代表者が新たに提案した対流速度に流出境界の法線方向速度の最大値と最小値の算術平均速度を用いるSommerfeld放射条件,これまで一般的に広く使われてきた流れ方向の一階微分を零とする自由流出条件である。計算法は有限差分法で対流項には三次精度風上差分、それ以外の項は二次精度執心差分を用いた。時間積分は一次精度の半陰的splitting法を用いた。 数値実験の結果から次のようなことが明らかになった。流出境界近傍の渦度場を比較した結果、渦度等高線の変形は自由流出条件が最も大きいのに対し、算術平均速度を用いるSommerfeld放射条件は渦度の空間的振動が最も小さく渦度の滑らかな流出を可能にする条件である。長領域の解を基準にした誤差ノルムは、速度・圧力とも算術平均速度を用いるSommerfeld放射条件が最も小さく、比較した三種類の流出境界条件の中で算術平均速度を用いるSommerfeld放射条件が最も精度が高い。
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