Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
圧縮空気を動力源とする急速圧縮膨張装置を用いて種々の強度のノッキング現象を再現し,この現象を熱炎に依存する赤色発光の波長に対応した光学フィルタを用いた高速度二次元分光撮影とシュリーレン法による高速度直接撮影を同時に行うことにより,ノッキング現象を引き起こす自着火反応とそれに先立つ自着火前反応を分離して画像で捕らえることに成功した. さらに,これらの反応を詳細に調べるために自着火発生反応におけるOH,HCO,HCHOの各化学種からの発光と熱炎の発生に伴う赤色発光を4分岐光ファイバ,光学フィルタおよび光電子増倍管のシステムによって測定し,それぞれの発光強度の関係より高速度撮影で捉えられた自着火前反応が青炎反応と呼ばれる反応であることを示し,また膨張行程を伴う機関における自着火遅れ時間を導出した.また,燃焼室内圧力をもとに2領域モデルを用いた熱力学計算によって求めた未燃部温度と自着火遅れ時間との関係より,本研究におけるノッキング現象が実際の機関におけるノッキング現象と同じ高温型自着火の領域に属していることを示した. 上記で得られた知見をもとに自着火発生機構について詳細な考察を行いその結果,強乱流場における高速型ノッキング現象が発生する状況での燃焼形態は分散型火炎構造を呈し,この分散型火炎構造により分断された微少体積の未燃混合気部は周囲を高温の既燃ガスに取り囲まれ存在することにより高温度となり,自着火発生機構そのものは層流燃焼場における反応と同一ながらも,より短時間のうちに自着火条件に到達し自着火が発生する.この局所的な自着火の発生に伴う圧力波が燃焼室全域に伝播することにより,燃焼室内に分散する未燃混合気部で連鎖的に自着火が誘発され,ほぼ同時に広範囲で自着火が発生しノッキング現象に至る,という強乱流場における自着火燃焼モデルを作成することが出来た.
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