Research Abstract |
本年度は,自由曲面上の欠陥の検出能力や,形状自体の検出特性について,基礎的な測定を行った[発表研究1].本研究では,欠陥として2枚面が接合する際の位置や接線の不連続とうねりを取り扱った.位置と接線の不連続に対しては,単純化のために2枚の平面によりモデル化を行い2平面間の高さと2平面の水面らの傾斜角,相対的な角度を変化させて測定を行った.また,うねりについては,連続的なうねりと単発的なうねりに分け,これらを正弦波を用いてモデル化し,うねりの波長,波高を変化させ測定を行った.また,形状については,平面を左右方向に傾けた場合の角度の知覚について測定を行った. 被験者は20代青年男子5名であり,各試行は,ランダム順に3回ずつ測定を行った. その結果,75%の確率で知覚可能な欠陥は次の通りである.位置の不連続に関しては,5μm,接線の不連続に関しては,約2degである.また,うねりに関しては,連続的なうねりでは,波長が10mmの時には,40μmであった.また,平面の角度の知覚に関しては,傾斜角が0〜【plus-minus】10degの場合には約【plus-minus】1degで知覚し,それ以上の角度では,【.+-】10deg程度であり,傾斜角が45degの場合に40deg程度の最も大きな誤差を生じることがわかった. また,疲労による力覚による知覚特性の変化を測定した[研究発表2].この測定は,2名の被験者に対して,疲労測定,視覚による知覚実験,力覚による知覚実験,そして,負荷作業の一連の作業(40分)を240分間繰り返し,それぞれの知覚特性の疲労による影響を調べた.疲労の測定には,自覚的疲労調査書, フリッカ値測定を用いた.また,視覚による知覚実験は,CRT上に表示された2枚の面の灰色の濃淡の識別を行った.力覚による知覚実験には,接線の不連続の検出実験を行った.この結果,力覚は視覚と比較して,疲労の影響を受けにくいことがわかった.
|