Research Abstract |
繁雑な作業を必要とする有限要素法の要素分割を自動化するアダプティブ自動分割法において,遺伝的アルゴリズムなどに代表される最適設計法を導入すれば最適な要素分割を自動で作成することが可能である.そこで,本研究では,少ない反復計算で最適解を得ることができる最適設計法について検討するとともに,精度の点で優れている六面体要素の自動分割法について検討を行った.得られた知見を要約すると以下のようになる. 1.最適設計法である遺伝的アルゴリズムは,大域的最適解を得ることができるが,反復回数が多く,三次元アダプティブ自動分割法に導入する方法としては計算時間の点で適当でない. 2.最適設計法である Rosenbrock 法は,少ない反復回数で解が得られるが,局所的最適解が複数個ある場合には,局所的最適解が解として求められてしまうため,精度の点で適当でない. 3.最適設計法である Simulated Annealing 法は,適当な係数を用いることにより,大域的最適解を得ることができ,また,初期値として,Rosenbrock 法により得られた結果を用いれば,少ない反復回数で解が得られる.すなわち,Rosenbrock 法とSimulated Annealing 法の併用法を用いれば,少ない反復回数で大域的最適解を求めることができる. 4.六面体要素は精度の点で優れているが,従来,この要素を用いて,複雑な形状を有する電気機器の要素分割を自動で行うことは困難であった.そこで,自動分割法によって作成された三角形要素を四辺形要素に変換した後,積み上げ法により六面体要素を作成する自動分割法を開発した.その結果,形状が複雑である着磁器やリターダの六面体要素を用いた解析が可能になった.
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